看護師の多くは医療現場で働きたいと考えてスキルを磨き、キャリアを積み上げていきます。
そのときに大病院でのキャリア構築を目指す傾向が強いものの、必ずしもそれが最良の選択肢であるとは限りません。
介護施設でのキャリアを積むメリットもあるので、自分の能力をよく考えながらメリットが大きいかどうかを考えてみましょう。
医療現場と介護現場の大きな違いは対応のあり方です。
医療現場では通常は均質な対応が求められ、全ての患者に対して標準的な医療を同じように行うことで治療を目指します。
そして、それでも治療がままならないケースでは個別対応をしていくというのが原則です。
これに対して介護現場では最初から全てが個別対応になります。
介護は利用者の満足度を高め、生活の質を向上させることを目指すのが基本です。
そのためには個々の利用者に個別対応することが必須であり、同じような対応をしているのではあまり意味がありません。
そのため、介護施設でキャリアを積むことにより個別対応のスキルを実践的に身につけられます。
医療現場に戻ってきたときには最先端で必要とされている個別医療を実施できる看護師として認められるようになるでしょう。
チーム医療では看護師に患者と対話して様子を正確に聞き出すことが求められています。
そのためには一人一人の患者と向き合う姿勢を身につけるのが大切です。
介護施設で働くとそれを自然に行えるようになるための経験を積むことができるのです。